どうも、こんにちは。
そーじろです。
突然ですが、あなたは「オーガニック」や「有機」という言葉を聞いてどんなことを思い浮かべますか?
「カラダにやさしい」
「小さい子でも安全な野菜」
「添加物が入っていない化粧品」
ちなみに、私が思っていたオーガニックのイメージは
- 値段がとにかく高い
- 虫がついていて、気持ちわるい
- うさんくさい
と、マイナスのイメージばかりでした。
しかし、こんな私がふとしたきっかけでオーガニックの勉強をすることになるのです。
今では「マスターオーガニックコーディネーター」などという、持ってても何も役に立たない資格まで取ってしまいました。笑
でも、せっかく勉強したのでお話しします。
私が知ったことは、オーガニックのルール、オーガニックの本当の目的、環境問題、生き物の食物連鎖など、オーガニックに関わる全てのこと。
ここではプロのオーガニックとして、みなさんに一番知っててほしいこと「オーガニックの目的」をお話しします。
オーガニックの本当の目的について
オーガニックの目的はズバリ、環境に負荷をかけない生産方法です。
「カラダに優しい、安全な商品」というイメージを持っているかたも多いでしょうか?
もちろんオーガニックは「安全、安心」で健康な意味もあります。
しかし、オーガニックの本当の目的は、私たち人間のためではなく、生き物のバランスを保つために行われています。
オーガニックが生き物を守る理由
オーガニックが生き物の命が守れる理由は農薬の汚染です。
作物を育てていると、作物をエサとする害虫が近づいてきます。
少しかじるぐらいならまだ良いですが、時には作物を食べ尽くしたり、作物を病気にしたりしてしてしまう害虫もいます。
害虫から作物を守るために農薬を使ったとしましょう。
すると、周辺に生息するミミズや微生物など作物に害を与えない生き物にも、農薬が汚染されてしまいます。
自然界にはミミズをエサとする小動物がたくさんいます。
農薬に汚染されたミミズを小動物が食べると、小動物も農薬に汚染されてしまうのです。
これが、農薬が巻き起こしてしまう食物連鎖での汚染です。
鳥たち飛んで来なくなりました
過去の例です。
1950年代のアメリカは、木材を輸入していました。
その木材には、アメリカにはもともといないキクイムシがたくさんついていたため、殺虫剤を使うことにしました。
キクイムシは、繁殖能力が高く、他の植物まで病気にしてしまいます。
困ったアメリカは、キクイムシが増えないよう、強い殺虫剤をどんどん使い繁殖を抑えました。
しかし、殺虫剤がまかれた地面にはミミズに生息しています。
ミミズにもこの殺虫剤が汚染されてしまいました。
この地域には毎年、渡り鳥のコマツグミが飛んで来ます。
コマツグミの主なエサはミミズです。
コマツグミは、殺虫剤に汚染されたミミズを食べたため、汚染されてしまいました。
毒性の強い農薬は生き物の体内に入ると、体外になかなか出ません。
体内に残ると、その毒性は濃縮され、強くなります。
コマツグミは、その強い毒に耐えきれず、ほとんどが死んでしまいました。
結果この地域には、コマツグミが飛んでくることが二度となかったのです。
アザラシやホッキョクグマまで被害に!?
2004年の報道です。
北極に生息するホッキョクグマやアザラシの体内までにも、有害化学物質に汚染されていることがわかりました。
これは土にまかれた農薬や化学肥料などの有害化学物質が原因の一つだったそうです。
有害化学物質は雨風で川に流れます。
川から海へと流れる中で、生き物の体内に取り込まれます。
プランクトンを始め、小魚、大きな魚へと、有害化学物質が食物連鎖でどんどん濃縮されます。
食物連鎖の頂点にいるホッキョクグマやアザラシなどの体内に入ったときは、その濃度が何千倍にもなっています。
その結果、ホッキョクグマやアザラシは免疫力の低下、ホルモン異常など、生態系に大きく関わる問題を引き起こしてしまったのです。
もちろんこのような強い毒性の殺虫剤や農薬は、現在世界で使うことが禁止となっています。
オーガニック=無農薬!?
「オーガニック」とは「無農薬」のことではありません。
「オーガニック野菜って農薬を使ってないんですよね?」
と思っているかたも多いかもしれませんね。
結論から言うと、止むを得ない場合だけ、農薬や化学肥料を使っている可能性があります。
「何だ、オーガニック野菜も農薬を使っているのか」
なんて、思わないでください。
これにはちゃんとした、国際ルールに基づいた理由があります。
有機JAS法とは?
有機JAS法とは、2001年に日本で始まったオーガニック食品のルールです。
これは農林水産省が、国際基準である「Codex有機ガイドライン」に基づき定めた法律です。
「Codex有機ガイドライン」は、世界のオーガニックルールです。
世界各国はこのルールをもとに、国のオーガニックルール作っています。
そのため、日本と世界のオーガニックの基準は同等だと言えます。
具体的な基準は、
- 環境、生態系の維持を目的とした生産方法
- 種や苗を植える前の2〜3年(作物によって異なる)以上は、その農場に農薬や化学肥料を使用してはならない
- 周辺の農場からも農薬や化学肥料が飛んできたり、流れて来ないようにしなければならない
- 栽培中は、農薬や化学肥料を基本的に使用してはならない
- 土やたい肥を作るには、その周辺に生息するミミズや微生物など自然の力を利用する
- 病害虫や雑草から守る為に、化学製品や農薬などを使用してはならない
- 収穫後の保管、包装、輸送など全ての行程で、化学製品や農薬などに汚染されないようにしなければならない
- 遺伝子組み換えの技術の使用禁止
などが挙げられます。
簡単にまとめると、種を植える前から消費者の手に届くまで、農薬や化学肥料に汚染されないように管理しましょうということです。
“基本的に”ってどういうこと?
有機JASでは、農薬や化学肥料を基本的に使ってはいけません。
有機農業はあくまで継続をするとこで、環境を守ることを目的としています。
もし、突然の天候不良が起こったり、病害虫が異常発生したりすると、農薬を使えない有機農家さんたちは大変です。
せっかく頑張って育てたお米や野菜も、そんなことで全てがダメになってしまうなんてかわいそうですよね。
そのため、有機JAS法では天災や病害虫の異常発生などの対策として、「やむを得ない状況の場合に限り、指定された農薬の使用を許可」としています。
あくまで「緊急の時だけだったら、指定した農薬を使ってもいいですよ」という意味なので、知っててくださいね。
現に、ほとんどの有機JASの認定農家さんは、農薬や化学肥料を使っていないので安心してください。
まとめ
最後マスターオーガニックコーディーネーターとして一番伝えたいことは、有機野菜を取り入れることで有機農家さんの応援ができるということです。
値段は少し高いです。
土や虫が付いているから、普通の野菜の方がキレイに見えるかもしれません。
私たちがもっと有機のことを知り、周りの人に正しい知識を教えてあげれば、それだけであなたも環境問題に貢献できることを知ってください。
あなたの食生活の一部にオーガニックを取り入れてもらえたら嬉しいです。